木組みの家シリーズ
特徴 |
①機械ではできない高度で強度のある継手(つぎて) |
継手を組み合わせた後に「込栓(こみせん)」と呼ばれる木の栓を叩き込むことで、継手の強度はさらに増します。
昔からの知恵と技術が結集されたこの伝統的な工法には、熟練した大工の技術が不可欠です。
②木材の適材適所を実現 |
大工の技術と道具 |
◎墨付け作業 |
①手板作成
手板(ていた)とは、平面図、床伏、小屋伏図など、必要な寸法や符号を墨刺しで板に書き込み、墨付けするときに用いる、板に書く建築図面のことです。建物の刻みはこの図面作成から始まります。
建物構造体の内容はこの手板に書き込み、刻みを進めていきます。
手刻みには大変重要な作業です。
④墨つぼと墨指
墨つぼは、木で出来ており、壺の部分には墨を含んだ綿が入っています。糸車に巻き取られている糸をぴんとはり、糸の先についたピン(カルコ)を材木に刺し、この状態から糸をはじくと、材木上に直線をひくことが出来るので、梁や柱など、材木の間が離れているところでも、この道具を使用することにより正確に直線をひくことができます。
◎刻み道具 |
①ノミ
今日では、ノミは鉄製の刃に木製の柄がついている物を 使用しています。 大昔はノミも鉄だけでできていました。鉄だけでできた多烈弥(タガネ)と呼はれるノミは、玄翁(ゲンノウ)でたたいた時、手がしびれたろうと思います。
ノミを握る手へのなじみを良くするために、木の柄がついたのはだいぶ時代も下ってからです。
それも、現在とは違って袋型式と呼ばれる方法で柄がついていました。
③台カンナ
目につきやすいところなどの仕上げ、または材と材が合わさる部分等をカンナで仕上げます。
昔はよく、大工さんがカンナくずをだしながら、カンナをひいている婆を目にしましたが、今日では、工場からキレイに仕上がった材が現場で届くので、カンナを掛ける見る機会は少なくなってきました。
④電動カンナ
電動カンナで丸太の皮を削り、水平を確認して芯を出していきます。 角材は自然と台の上で水平になっていますが、丸太はきちんと固定する必要があります。
柱穴・間柱穴・ホゾ等、角材と同じ考え方で墨付けをおこないます。
◎継手・仕口(一部抜粋) |
①ホゾ
腰木端面につくった突起をほぞといいます。
これだけでは引抜きの力に抵抗できないため、楔(くさび)・込栓(こみせん)・鼻栓(はなせん)などで緊結します。
※込栓には、ナラやカシ、角や丸など色々な種類があります。
柱と横架材(土台・梁)との接合に使用する場合、柱に掛かる引抜き力に応じて、使い分けることが可能です。