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草花茂る自然農の畑にて

 

丹沢・菩提峠にて行われた春の植樹に参加した翌日、 菩提峠の麓、秦野市菩提にて

「自然農」体験活動に参加しました。

 

皆さんは、「自然農」をご存知ですか?

 

自然農とは、川口由一氏が作られた不耕起草生栽培(耕さず草生やしたまま)、

かつ無農薬、無化学肥料という農法です。 自然界に抱かれて、その命の巡りの中で

稲や野菜を培い、人も自然の恵みを享けて 生きて行こうと考える農なのです。

 

 

朝、渋沢駅で、お客様で自然系のイベントに多くご参加頂いているAさんと、

愛川で有機農法で畑を耕されているMさんと集合し、 今回のイベントの主催である、

丹沢自然保護協会の山形さんと合流。

 

車で、今回の自然農の体験をさせて頂ける菩提の「遊山房」を目指します。

菩提は、表丹沢の緑の山々に抱かれた、標高300メートルの地にあります。

現地からは、田畑や川、秦野の町並み、渋沢丘陵、そして広く空が見渡せます。

 

 

「遊山房」に着きました。築30数年たつ、落ち着いた佇まいの瓦葺の民家です。

「遊山房」の主、二宮倫行氏にご挨拶をし、色々とお話をしました。

 

農作業の準備をします。この季節、山ビルが出るので、服やズボン、靴などに 念入りに塩水を

 吹きかけました。

全員集合後、山形さん、二宮さんからお話を伺い、 歩いて5分程度の畑に向かいます。

 

 

自然農は「不耕起」なので、通常は耕さないのですが、この畑は、茅萱(ちがや)が びっしりと

根を張っていて、作物の根の成長を阻害しますので、作物を植えるところだけ、

最小限、地面を掘り起こします。二宮さんの説明に沿って、作業を進めます。

 

掘り起こした後は、茅萱をひっくり返して、乾燥させ、将来的には土の養分として、

地中に返します。 根についた大切な土は、掘ったところに戻します。

回りの土を掘ったところに戻し、雨などで 土が流されないように、強めに叩き締めます。

 

今回は三畝(うね)分、作業をします。茅萱の密集した根はなかなか手強く、

力の強い人が地面を掘り、力の弱い人は根の土を落としたり、茅萱を畝の横に裏返したりと、

皆で役割分担して、協力しながら作業を進めました。

 

今回は大豆の種を3種類、地面に降ろしました。自然農では、種を「撒く」と言わず、

「降ろす」と言います。指で5cm前後の穴を空けて、種を降ろし、土をかけ、叩き締めます。

そして、最後に藁(わら)を畝に万遍なく掛けて、土を覆います。 藁をかけることで、

土中の水分が蒸発するのを防ぎます。

 

地中の養分や水分、微生物の循環を大切にしているのだと、感じました。

 

 

2時間弱の作業が終わり、参加者で記念撮影。良い汗をかきました。

 

遊山房に戻り、軒下の縁側で昼食。二宮さんの奥様が朝とれたてのスナップ豌豆(えんどう)と

お茶を出してくださいました。スナップ豌豆は、塩を掛けなくても、自然の甘みが口に広がり、

とても美味でした。皆で、自然農や民家、ヤギのことなど、色々と話が弾みました。

 

 

午後は、二宮さんが日頃より自然農を実践されている畑の見学です。

二宮さんが丁寧に畑や作物、自然農のことなどを説明してくれました。

畑は、藁がかかっていたり、様々な作物や草が育ち、花が咲き、 心地よく混沌とした

景色を作り出していました。 土がほとんど露出していないため、一見して畑と気付かないかもしれません。

 

 

歩きながら、野いちごや桑の実をつまんだり、葱ボウズや、浅葱(あさつき)の花、

野花を眺めたり、緑の山や広がる空を見上げたり、涼しい風を感じたりと

素晴らしい時間を過ごすことができました。

 

 

見学の後、遊山房に戻り、身支度を終えた後、囲炉裏のある部屋に通して頂きました。

7月末頃に、今回種を降ろした枝豆が出来たら、今度は収穫をして、その後に 畑でとれた

作物をつまみながら、酒でも酌み交わしましょうといった嬉しい話になりました。

 

遊山房の二宮夫妻、そして、丹沢自然保護協会の山形さんにお礼を述べ、 菩提の地を後にしました。

渋沢駅に向かう川沿いの道は、緑の風景と爽やかな風がとても心地よかったです。

 

 

2日間に渡る、「丹沢・春の植樹」、「自然農体験活動」共に、

興味深く、楽しい体験、お手伝いをしながら、丹沢の山や生物などの自然、

そして山の周辺の集落や、そこに住む人々と暮らしへの理解を深める素晴らしい機会となりました。

 

 

なお、自然素材工房では、他にも「森林ボランティア」や「野鳥観察会」、

有機農業の講演会や 安全な農と食を考えたり、楽しみながら、おいしく味わう

「trecafe(トレカフェ)」といった イベントを開催しています。

 

色々と楽しみながら、自然共生・環境共生のことを考えたり、学び、実践することができます。

興味がありましたら、皆さん、どうぞ気軽にご参加ください!

 

 

 

written by H. Osanai