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前の、そのまた前の家・・・

 

一月、二月、三月は「行く・逃げる・去る」と言うように、

早いことでもう1月も明日から後半となりました

 

そんな今日は、あたらしく始まる新築現場・解体前の「お宝さがし」

途中増築はされていますが、代々続く古いお宅でしたので、

まだまだ使える床柱や天井板、欄間を

是非再利用しましょう♪と、打合せを進めておりました。

 

大工と監督と、天井や床柱をはずしていた時・・・

畳をはずすと黒い板が出てきました。

・・・んん?と思い、さらに床板を解体してみると

根太の下に使われている土台が

なんと黒光りした二つの深い溝があるもの。

 

差し鴨居再利用

 

 

これは、そのお宅のそのまた前のお宅の「鴨居」を

再利用したものではないかと思われます。

 

お施主様にうかがうと、そのお宅はなんと江戸時代~明治初期に

建てられたのではないかとのお話でした。

囲炉裏の煙で燻された黒光りする差し鴨居からは

かつての生活が垣間見えるようです。

 

 

 

 

 

 

シロアリや、湿気に弱い、燃えやすい・・・など

挙げたらきりがない「木」の欠点。

その一方で、簡単で、安定していて、狂いがないと大きく謳われ、

そう思われがちな新建材などの工業製品。

 

 

でも、、このように次から次の家へと何度も受け継がれ、

長持ちしているのも同じ「木」なのです。

特別なものでなくても、

無理をさせない(風通しが良く、高気密にしない、結露させない)

使い方をしてきた「木」は、

ずっとそこに暮らす人の生活に寄り添い生き続けているのです。

 

もちろん、こちらも是非大事に再利用させて頂きます

 

 

 

設計 藤澤