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雨と霧の中。静かな仏果山を歩く

 

仏果山(ぶっかさん)は、宮ケ瀬湖の南東にある丹沢の東端にある前山。

山名が示すように、古来、大山や経ヶ岳などと共に、山伏が修行で歩いた歴史ある山です。

高校時代に仲間と1回歩いたことがあるので、実に20年以上振り。

 

友人と少し遅めに9時半、橋本駅近くのコンビニ前で集合。昼食を買い、出発。

今回は、駅と山との往復は、私の車を利用しました。

 

 

天気予報は晴れでしたが、宮ケ瀬に向かう途中で雨が降り出してきました。

山の天気は変わりやすい。それなりの雨になってきたので、山に登る前に、 宮ケ瀬ビジターセンターに

まず寄って、様子を見ることにしました。

 

ビジターセンターは、宮ケ瀬湖畔園地にある、県立の施設。宮ケ瀬や丹沢の山や森の 展示がしてあったり、

枝やドングリなどを使ったワークショップが体験できる施設です。

 

丹沢の成り立ちや地質、動物や植物の展示を見た後、職員の方に天候のことを 聞いてみると、

今日は仏果山一体の山の雲は晴れず、雨が降ったり止んだりしそうだとのこと。

まだ雨はそれなりに降っています。

 

 

もう少し、雨が小降りになるまで、近くの"Orange Tree”というログハウスのカフェ・レストランで

待機することに。オーナーがログハウス・ビルダーでもある店だけあって、丸太のログが圧巻の店。

ジャズの流れる店内で、コーヒーとチーズケーキのセットを頂きながら、天候の回復を待ちます。

 

 

少し雨が小降りになったところで、車で宮ケ瀬湖沿いの「大棚沢広場」の駐車場へ。

ここから仏果山登山口までは2分程度。登山口の標高は約300m。

正午過ぎの12時10分。いよいよ登山開始です。

 

階段を登ると、杉林の中の緩やかな登山道。少し歩くと、登山カードの記入台と 山ヒル注意の看板。

置いてあったヒルの忌避剤を足首にかけました。 春から秋まで、湿気の多い日にヒルが出ることがあります。

雨の中、ヒルが出てこないか、 気をつけながら、歩き始めます。

 

 

標高約650mの宮ケ瀬越という峠まで、ひたすら登りが続くが、 登山道が整備されているせいか、

きつい登りが少なく、歩きやすい。 二人とも、登山用ポール(ストック)を持参してきたのが、役にたっています。

 

しばらくは植林された杉と檜の山道を歩く。途中で、ベテランらしき3人組のパーティと すれ違い、ご挨拶。

途中で、大きい蛙が待っているよ、と楽しそうに話してくれました。

 

10分ほど歩くと、聞いていた蛙とご対面。 確かに大きい!牛蛙か?山の主のような貫禄。

ゆっくり見ているうちに、 蛙はのそのそと道脇の草陰に歩いていってしまいました。

 

 

約1時間で、宮ケ瀬越に到着。晴れていたら、ここの分岐から 高取山を目指す予定でしたが、

雨なので、仏果山に直行することに。 友人は用意周到に、ザックカバーや帽子を持参して着用。

私は、大雨ではないので、濡れていくことに。木々が雨を防いでくれました。

本当は、山行の時は準備万端が望ましいのは、間違いありません。

 

 

尾根には、モミや山桜、コナラなど色々な木々が増えてきました。

霧のかかった静かな森が、幻想的で美しい。

 

 

軽く下った後に、それなりに大きく登って、13時半、仏果山山頂に到着。 標高747m。

山頂には、仏像が数体鎮座しています。 古来、修験道の山伏が修行した山なので、

何かしら関係があるのかもしれません。 山行の無事を祈って手を合わせます。

 

小雨が降り続いていますが、展望塔の鉄製の階段が丁度良い雨よけとなってくれました。

階段下の基礎のコンクリートにシートを敷き、昼食。ゆっくりと話をしながら、食べ、休む。

食後に持参した缶コーヒーを飲む。かわいいコガネムシが飛んできました。

 

食後、展望塔に登る。樹冠の上まである展望塔だが、やはり周囲は霧の海で、 展望は全くありません。

晴れていれば、素晴らしい展望が広がる場所ですが、それはまたいつか 再訪して確かめたいと思います。

二人で写真を撮る。背景は、真っ白!

 

 

また来た道を戻り、登山口を目指します。下りが多い。濡れている道で滑らないよう、

気をつけながら、歩きました。ストックが大活躍。下りは体重が膝にかかりやすいため、

膝へのダメージが少なくないのですが、ストックをうまく使うことで、ダメージを軽減できるし、

滑り止めの役にもたちます。

 

下るにつれ、雨が小降りになってきました。 宮ケ瀬越から、登山口まで目指して下ります。

登りの時はあまり感じなかったのですが、 かなりの斜面を登ってきたんだと実感しました。

雨のせいか、最初に会った3人組のパーティ以外は 誰とも会いませんでした。

時折、鳥の声が聞こえますが、あとは、友人との会話と、雨がしとしと降る音だけ。

静かな山行です。

 

 

やがて、湖畔の道路を走る車の走行音が聞こえるようになり、しばらくすると、 登山カードの記入所、階段。

曇天の下、宮ケ瀬湖が見渡せます。 そして、ようやく、登山口まで帰ってきました。

登山口の到着が15時18分。 休憩・昼食を入れて約3時間10分の道程でした。

雨の割には、好調なペースで歩けました。

 

 

支度をして、車に乗り込む。湖沿いの道を走り、一路、温泉施設へ。

相模・下九沢温泉の「湯楽の里」に行きました。かなり広い施設、そして露天風呂で ゆったりと

疲れを癒しました。風呂の後は、座敷コーナーで一休み。

 

車で、橋本駅前まで戻り、午後5時、解散。

雨ながら、二人で静かな山や森を楽しむことのできた良い山行でした。 

 

 

今回は、ストックを使用したのと、軽めのコースだったこともあり、 膝の痛みは

全くといっていいほどありませんでした。次回からストックは手放せない!と 実感しました。

あとは、靴のソールが擦り減ってしまったので、次回には 歩きやすい登山靴を新調しようかと

思っています。

 

秋も深まり、次回の山行は、山々の紅葉が美しい頃になるでしょう。 11月には、丹沢表尾根の名峰、

塔ノ岳を目指そうと計画しています。 いずれ、またご報告したいと思っています。

 

 

 

written by H. Osanai