11月19日(水)、社員有志で社内研修ツアーに行ってきました。
行先は茨城県のつくばです。参加者は7名。 車1台で、朝、7時出発。
11月19日(水)、社員有志で社内研修ツアーに行ってきました。
行先は茨城県のつくばです。参加者は7名。 車1台で、朝、7時出発。
渋滞の東名高速や首都高、常磐道を通り、
10時20分頃、最初の目的地、「つくば春風台」に到着。
春風台の街は、緑地の保全運動からスタートし、
「緑・住・農」の街づくりを志向した、素晴らしい理念で街づくりに 取り組まれています。
とかく、開発分譲地は、農地や緑地だった土地を造成し、 細かく敷地分割し、
樹々や畑をほとんど残さずに住宅が建ち並んで しまうということが多い中、
春風台は最初から敷地内に緑地や農地を確保し、 自然との共生を心掛け、
緑地の保全、そして良好な住環境の創造を目指しています。
今回は、春風台まちづくり協議会の酒井会長が、 ご多忙な中、現地にてご案内、
ご説明をしてくださいました。 2年近くたつ、春風台の街づくりにおける経緯や理念、
現在と今後の課題など、丁寧にご説明くださいました。
街づくりの理念にふさわしい、素敵な住まいが所々見受けられます。
薪ストーブの煙突や、外に薪が積んでいる様子も見られました。
敷地内で農作業をしているお宅もありました。
まだ空地が目立ったり、緑地の緑がうまく生育していなかったりと、
街づくりにおける今後の課題はあるようです。 しかし、数年後には、緑豊かな春風台で、
素敵な住まいが立ち並び、 農作業をされている方、のびのびと遊ぶ子どもたちの姿などが
見られることでしょう。数年後に再訪してみたいと思います。
昼食は、ナチュラル雑貨&穀菜レストランの「Ritz'n(りっつん)」さんを訪れました。
木造で、板張りのお店は、落ち着いた素敵な雰囲気でした。
厳選素材を使った様々な菜食メニューの中から、 玄米ごはんセット、
ベジタリアンパスタセット、オリジナルバーガーセット、 そして食後に、
穀物珈琲や豆乳ココア、レモンスカッシュといった飲み物を美味しく頂きました。
食後は、店内の雑貨や本、野菜や本などを 眺めながら、買い物などを楽しみました。
午後1時半過ぎに、建築研究所内に到着。 ここでは、LCCM住宅デモンストレーション棟を
見学します。 LCCM住宅の"LCCM"とは、ライフサイクルカーボンマイナスの略称。
LCCM住宅は、住宅の建設時から廃棄時まで、長いサイクルで、 住まいづくりや日々の
暮らしの中で排出するCO2(二酸化炭素)を減らそうとの 意図を重視した住まいです。
展示館でLCCM住宅の概要の説明を聞いたり、 展示を見学した後、
いよいよデモンストレーション棟の見学です。 建物は南面が広い開口部となっており、
冬季を中心に昼間の太陽光を 取り込めるようになっています。
建物の上部に見える通風塔が2箇所。外観デザインのアクセントとなっています。
中は間仕切りが少なく、吹抜けのある、開放的な空間となっています。
季節や時間帯、また生活の用途にあわせて、可動建具や家具などで、
様々なゾーニングが可能になっています。
また、建設時のCO2を減らす意図もあり、木材をできる限り多用されています。
但し、一部、合板や集成材が使用されているのが残念でした。 構造強度を確保する
ことは必要ですが、CO2削減には無垢材の使用が一番良いのです。
窓際で一際目立つのが、可動式の木製ルーバー。 夏の日射遮蔽に役立つものですが、
なぜ室内にあるのかと 疑問に思っていたところ、説明員の方が、親切に説明してくれました。
南側の空間(バッファーゾーン)は、断熱建具で区切ることができ、 床の一部を網戸付きの
建具に変えたり、窓を開けたりして、 縁側のような外部空間に衣替えできる工夫がありました。
つまり、室内のようで、実は室外空間にルーバーがあり、日射遮蔽をして くれるのです。
吹抜の空間や通風塔は、暑い季節に、快適に室内に風を通してくれます。
通風塔は、北側の開口を大きく取れば、室内に光を落とし込む、 ライトウェル(光井戸)にも
なることでしょう。
様々なエコ住宅が提唱され、乱立する中、 CO2削減の大きな前進を図るための
実験住宅として企図、建築された LCCM住宅デモンストレーション棟。
綿密な研究や実証実験等が、試行錯誤も兼ねて進められています。
住宅のビルダーがより意識を高め、より自然共生の住まいづくりを進めていくことが
大切だと考えます。LCCM住宅はそのヒントを多く与えてくれています。
快晴の青空の下、つくばの街中の街路樹や建築研究所の中の並木の葉が
色とりどりに紅葉していて、晩秋を感じる日でした。
帰路、茜色の夕焼けの中、富士山や山々の稜線を見ることができました。
所々渋滞に巻き込まれながら、夜7時半過ぎに愛川に到着。
色々と話し、ふれあい、食べ、訪れ、学ぶことができた、研修ツアーでした。
お疲れ様でした!
written by H. Osanai